SaBaCaN ~趣味の缶詰~

とりあえずは自分の趣味に対するレビューを書いていきます。

インフィニティ・ガントレットを読んで~∞のスケールの神話~

 初めて劇場で観たMCUシリーズは、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、サドル・ドーナツです。

 ようやく一旦X-MENから離れられた……やっぱ色んなヒーローをレビューしたいものです。

 とは言っても限度ってもんがあんだろ!! そんな超クロスオーバー大作です。

あらすじ

 狂えるタイタン人ことサノスが、インフィニティ・ジェムをすべて手にし、無限の力を持つインフィニティ・ガントレットを作り上げた。

 神の如き力を手にしたサノスは、死の化身デスとの約束を守るために、生命の半分を消し、宇宙を、現実を思うように作り替えていく。

 そんな無限の力を前に、ヒーローはどう立ち向かっていくのか──

愛と騒乱

 前半はインフィニティ・ガントレットを手にしたサノスが愛するデスのために色々尽くす話と、その過程で起こる災害による混乱を描いています。茶化す話ではないのですが、アプローチのために全生命体の半分が消えるので、こいつはた迷惑すぎる……そしてデスがつっけんどんすぎて、どんどん被害が増えていきます。癇癪で起こした衝撃波で、地球が半壊したり軌道から外れて終わらない氷河期がやって来たりします。日本に至っては無くなってますからね。

 しかしこのサノス、愛を語るには色々とダメダメな部分が多すぎるんですよねー。まずもってインフィニティ・ガントレットを手にしてデスの上に立った時点でおかしな話ですし。我が愛は崇拝とか言い切ってますし。それはさ……何か違わないかい? それに明らかにデスに対して口が悪くなる瞬間があって、彼の身に染みた傲慢さが伺えます。

 そんな愛憎劇の裏では、地球のヒーロー達が災害に対応していく様子が描かれているのですが、勢力の半数が消えてますし、そもそも起こっていることの規模が大きすぎて彼らの手には負えないことがまざまざと見せつけられます。目の前で多くの命が散っていく絶望感は深いです。

ヒーロー連合

 インフィニティ・ジェムの一つ、ソウル・ジェムとの繋がりが深いアダム・ウォーロックを中心として、ヒーロー達(とドクター・ドゥーム)が連合を組み、サノスに挑みます。

 圧倒的な力を前にしてもヒーロー達は諦めずに立ち向かいます。一人、また一人と倒れて行っても、攻撃の手を止めません。最後の一人になったとしても、それでもヒーローは挫けない。

 そういうヒーローの不屈性もこのストーリーで描かれていることの一つだと思います。やはり諦めないヒーローはいつの時代もかっこいいものです(インフィニティ・ガントレットは1991年連載、僕が生まれるちょっと前くらいか)。

 しかし、神に匹敵する力を持つサノスには何人が束になっても敵いません。結局傷一つ付きませんし、ガントレットを狙った不意打ちも失敗に終わります。

 その無力感もまた本書の魅力だと思います。もはやなんと表現したらいいかわからないほどに強大な存在には結局勝てないという教訓を感じます。

大いなるコズミック・ビーイング

 ヒーローの後に続いてサノスに立ち向かうのはコズミック・ビーイング達。彼らは宇宙規模の概念的存在。この説明だけじゃわかりにくいけども、言葉にしようとするとものすごく難しい……とにかく神話的存在の上に位置する、宇宙の法則そのものみたいな存在。

 このコズミック・ビーイングの存在がマーベルのユニバースを面白くしていると思います。彼らの存在が、我々の世界とは別物であるという証左。故に我々は幻想的なその世界に惚れ込むのです。

 そんな彼らがサノスに挑む。あらゆる宇宙規模の物理攻撃、概念的攻撃がサノスを襲うが決定打にはならない。次々に撃退されていく。

 もうスケール感がめちゃくちゃすぎてめちゃくちゃ面白いです。よく考えつくものだと感心しますねー。想像力に限界ってないのかも。

 その最中にサノスはデスに裏切られる。僕はデスの心が読めなくて正直怖いですねー。彼はこれまた癇癪を起こして、本気を出し、コズミック・ビーイング達を負かして神殿に飾る。どうやらサノスはそれよりも上の存在のようです。

 続いて現れたのは、この宇宙そのものであるエターニティ。が、しかし負ける。本当にあっさりと。

 ついにサノスは宇宙そのものになってしまった。肉体を捨てて概念的存在そのものになってしまったサノスに対して、これはもうどうしようもないぞ、と思ったその時! サノスの孫娘であるネビュラが捨てられた肉体の隙をついてガントレットを奪い、その主導権を握ります。

 さて、最終章の始まりです。

無限の終わり

 さて、まだ生き残っているヒーローとサノスを束ねてウォーロックはネビュラに戦いを挑みます。

 しかし、一人戦線には参加せず、ネビュラからは姿を隠してジェムに接触。主導権を奪いガントレットをも奪います。そう、全てはこのための作戦。ウォーロックを唯一感知できるサノスからさえガントレットを遠ざけてしまえば、彼は簡単に勝ててしまうのです。

 あっさりと勝負は決してしまいますが、『インフィニティ・ガントレット』はここからが本編だと思っています。全てを手にしたウォーロックと全てを失ったサノスの会話。ここにこそ、この話のキモがあると思っています。

 結局、物事を支配する力を持った意思ある者は、その責務を果たさねばならない。それが苦難の道であっても。

 果たしてウォーロックはガントレットに相応しい者で在れるのか。

 気になるところではありますが、ここから先は今のところ未邦訳です。あるとしたらアシェットさんから出てるグラフィックノベル・コレクションからですかね。あれ、200号以降は出るんでしょうか……?

 次回はX-MENに戻ります。