教授側につくか、マグニートー側につくか決めかねているサドル・ドーナツです。
前回のX-MENはこちら↓
さて、前回の何かが起きそうなヒリヒリ感から打って変わって、今回は明確に事が起きます。それもかなり大事件。
そして、決定的になるプロフェッサーXとマグニートーの間にある亀裂。これまで何度も戦ってきて、時には和解することもありましたが、今回はガチのガチです。
両者が最も苛烈に戦ったのはこの回なのではないのでしょうか、とも思えるような迫力がアートからも伝わってきます。
あらすじ
イリアナ・ラスプーチンがレガシーウイルスによってその若い命を落とした。
だがそれを悼む暇はX-MEN達にはなかった。
彼女の葬儀の途中で死んだはずのマグニートーが現れたからだ。
彼は地球ごと人間を滅ぼす、自らについて来ないミュータントも同じく、と告げた。
その空には、巨大な要塞・アバロンが浮かんでいた。
コインの表裏
プロフェッサーXとマグニートー、目的は同じくミュータントの救済なのですが、どうしても分かり合えません。
彼らを分かつのは曖昧な、しかし絶対的な理念の違いなのです。
理想と現実。努力次第では二つの境界線は取り払える。理想をどんどん現実にしていける。特に特殊な力を持つ彼らにはそれが可能だった。どれだけ難しかろうと、可能ではあった。
しかし、マグニートーはその努力を、あくまで人間を排除することにしか向けられないのです。彼には人間を滅ぼすだけの力があり、それが可能だからそうする。共存を目指すなど夢のまた夢だと理想を追い求めるのを辞めてしまっているのです。言ってしまえば彼は楽で確実な方の道を選んでしまっているのです。
理想の実現を、何度も人類に阻まれてきたマグニートーの言い分も、理解はできます。しかし、『出来ることをする』のでは同じことの繰り返しなのではないでしょうか。まだ誰も成し得ていないことを実現することにこそ、人が生まれてきた意味はあるのではないのでしょうか。
分からないのか? お前のやっていることは
…お前の両親や妹を死に追いやったあの怪物と大差ないことなんだぞ
何にもまして嫌悪していた存在になりさがる気か!?
理想を追い求めるのをやめれば、もう既に在る何かに成り下がるのです。
それでもマグニートーはその何かに成り下がることを厭いません。
話は決裂。プロフェッサーXはメンタルパワーでマグニートーの力を操り、無理やり宇宙へと持って行ったのです。
難しいのは、結局のところプロフェッサーXも力の行使という楽で確実な方法を取ってしまったことです。決着は、これでは付かないのです。
実際、この方法はあくまで時間稼ぎでしかなく、Xチームはアバロンに突入し、マグニートーを止めることになります。
果たしてこの任務でマグニートーとの戦いに終止符を打つことはできるのか。
震えるマーベル・ユニバース
今回のアバロン襲来はマーベルの世界に大きな影響を与えます。と言ってもこの単行本で確認できるのはファンタスティック・フォーやニック・フューリー、キャプテン・ブリテンが驚きの反応を示すぐらいなのですが、地球の危機なので色んなヒーローが動いたことでしょう(推測)。
1巻に登場していたマグニートー議定書が発効されます。
マグニートー議定書が出て来た巻です↓
地球が電磁フィールドに覆われる事態にまで発展します。これならマグニートーの力に対しては安心、とたかをくくっていたら、力業で突破されます。電磁パルスが発生し、地球上の電子機器が機能を停止させる事態に。
もう彼一人に対する被害が甚大ですね。この事件はマーベル史上に大きく刻まれることでしょう。
そういう世界観の繋がりが――何度も言いますが――アメコミを読む上で楽しい点であります。
僕は、アメコミを歴史書を読む感じで読んでいます。
さて、この超大規模の『フェイタル・アトラクション』編は如何にして終結するのか。プロフェッサーXはどうやってマグニートーと決着をつけるのか。
次回に続きます。
