SaBaCaN ~趣味の缶詰~

とりあえずは自分の趣味に対するレビューを書いていきます。

キャプテン・アメリカ:トゥルースを読んで~超人兵士の裏を追え~

 MCU版ヤングアベンジャーズ(もしくはチャンピオンズ)の結成を心待ちにしているサドル・ドーナツです。

 今回はShoProの流通限定作品です。その販売も終わってしまい、今なら電子で買えますね。

 作品に政治思想を入れるなとか、問題になった世相を反映させるなとかよく言われてますが、僕はそういう作品も好きですねー。当時の人々の気持ちの一端を知れるわけですから、なかなか興味深いと思っています。

 ただ、僕がそういう問題に深く踏み込んでないからこそ言えることかもしれませんが。

 まぁ、とりあえず、いつものように書いていきますか。

あらすじ

 超人兵士計画により、超人血清の実験体として選ばれたのは歴史から抹消された黒人兵士達だった。生き残ったイザイア・ブラッドレーはもう一人のキャプテン・アメリカとして戦うことを選んだ――

虐げられた者達

 今回のテーマは黒人差別です。如何にして黒人達は排除され、また抹消されてきたか、目をそむけたくなるような物語がそこにはあります。

 コミックだけを読んでその歴史を知った気になるのはおこがましい話ですが、コミックで広めなければ広まらない話もあるのでしょう。幸いにも参考文献がたくさん載っていますので知りたい方はそこから深掘りしていくのがいいと思います。

 差別意識というものはいつの世も問題になるものです。2026年の今だって一触即発の問題です。我々は、如何にして人間の根底にある無意識のそれと付き合っていくかを、いつだって問われているのです。

キャプテン・アメリカの裏

 少し、今回の話は時系列が難しく、解説本がなければよくわからない設定があります(レインスタイン周りの話とか、何で黒人兵士で実験したの? とか)。そこがちょっと残念な所ではありますが、それだけ大それた歴史の再解釈を行ったということなのでしょう。

 なにせ、キャプテン・アメリカのアイデンティティがものすごく揺れ動く真実があったのですから。

 今回は、戦争の暗部を知るとともに、それでもキャプテン・アメリカは前を向けるのか、という試練のような気もします。このことに関して、スティーブは当然何もできなかったのですから。

 彼は、自分が踏んできた道の下に何があったのかを知っても、それでも笑顔で写真に写らなくてはならなかった。絶望を越え、希望を目指すヒーローでなくてはならないからです。

 彼はまた一つ大きな十字架を背負って戦っていかなければならないのでした。

 戦争の暗部に斬り込みつつ、現在のキャプテン・アメリカのヒーロー性にメスを入れる非常に興味深い一冊でした。

 混沌が蔓延るこの世の中に、この1冊が発信したメッセージは届いたのでしょうか。そうとも言えないのが悲しい所です。

 See you again!