始めに
深い沼にハマるのってすごく怖いんですよね。
僕の懐はいつだってギリギリだし、部屋の容量もどうしようもなくなっているし。
だから、ガンプラとかはもう無理やり視界から外していました。それに連なるガンダムというコンテンツからも。
でも……やっぱこういうのにハマっちゃうんだよなぁ……僕は……
どこから沼に足を突っ込んでたんだろうな……
ギャンとの出会い
始まりは、自分が子供の頃です。確か、小学校に上がって間もない頃くらいでしょうか。
友達の家でゲームをしてたんです。友達はいっぱいゲームを持ってたんですよね。それで、そのうちの一つにガンダムのゲームがあったんですよ。ハードはPS2でした。対戦アクションゲームでしたね。ゲームのタイトルとかはもう憶えていませんが……
それで僕、ギャンを使っていたんですよね。ギャン。
僕は接近戦が大好きで、ビームサーベルをブンブン無邪気に振り回していたんですけども、それがめちゃくちゃ様になっていたのがギャンだったんですよね。西洋騎士っぽいですし。それと盾から弾丸を発射できるのがかっこよく見えて、ギャンが大好きだったんですよね。何度戦ってもギャンしか選びませんでした。
僕の初恋はギャンに奪われたんです。
そっから、大学に至るまで、ちゃんと名前と機体憶が一致してるのギャンだけだったんですよ。
僕にとってのガンダムってギャンだけだったんですよ。
大学生、同人イベントにて
大学生の時、神奈川のとある同人イベントに参加しました。とある“癖(へき)”を共有するニッチな集まりでした。
そのイベントでは、抽選会というのが行われていて、色んな人がプレゼントを持ち寄り、運が良い参加者はそのプレゼントがもらえるようになってたんですよ。
そこでその癖を商業でも描いてらっしゃるような大先生がプラモデルを大放出しまして、参加者全員が何かしらのプラモデルを貰えるようになっていたんです。
そこで僕、ノーベルガンダムを頂きました。
名前は憶えていなかったのですが、『セーラー服みたいな機体』があるのだけは知っていたので、その山から目ざとく見つけだして、ピックアップさせていただきました。
ありがとう、Zトン先生……
しかし、貰ったはいいのですが、プラモの組み立て方もわからず道具もないので未開封のまま保存していました。
そもそもプラモデルに説明書が入っていることを知りませんでしたからね。プラモを組み立てるのって、めちゃくちゃ高度なことなんだと勘違いしていましたよ。
だから、そのイベントの思い出の品として保管されていたわけです。神奈川から北海道に戻っても、組み立てられることはなかったのです。
――そして時が流れ、2025年。令和7年。
僕とガンダムの岐路は交わります。
プラズマにぶち抜かれる
大体2025年の1月ですかね。新しいガンダム『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の予告編で米津玄師が主題歌『Plazma』を歌うことを知ります。
もう、その時点で観るっきゃねぇな!? となります。
しかも、キャラデザが西尾維新とタッグ組んでた時代から好きだった竹さんだと……これは世界が俺に「観れ」と言ってるな。そう確信しました。
そうして単身突入したのです。劇場先行上映『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』に。

……今思えば、これがまずかった。
僕は当然、竹さんの絵柄のビビッドでおニューなアニメを頭に浮かべながら、スクリーンを前にしました。当然、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が始まると思っていました。
しかし。
チュミミ~ンデデドゥーン!
何だこの懐かしいようなSEは!
何だこのナレーションは!
何だこの赤いザクは!

まずいと思いました。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』だと思って完っ全に油断したところに『機動戦士ガンダム』が割り込んで入ってきましたのでね。
明らかに竹さんじゃない、オールドな作画で話が始まり、シャアまで出てくる。
これ高度なコンテクストが求められてるやつだ!
もう、ほんと知識なかったんですよ。ガンダムについて。それでも大丈夫だろうと高を括っていたんですよ。
宇宙世紀とか、名前も知らない状況でした。出てくるロボットが全部『ガンダム』だと思ってましたからね。モビルスーツとかモビルアーマーとかの概念が消滅し『ガンダム』に置き換わっていました。それくらい無知蒙昧な状況だったのです。
それなのに、初代の『機動戦士ガンダム』が始まった時の衝撃ときたらなかったですね。
なんとかIFのストーリーだということが理解でき、その後『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が始まったのでだいぶ落ち着けました。
ただ、やはりガンダムって面白っ! ってなりましたねー。一年戦争って大体こんなんなんだという概略を下手に知っちゃったので、この部分もっと知りたいなーとなりました。
そしてモビルスーツのカッコよさに惚れてしまいました。GQuuuuuuXくんのバイザーがガキンッガキンッってなって角になるあの機構に少年心をくすぐられました。
だから、モビルスーツについてもっと知りたいってなったのですよ。
ガンダムブレイカー4
そこで買ったのが『ガンダムブレイカー4』でした。
いや、このゲームすごいですよ。機体についてあまり知らなくてもなんとなくでかっこいいモビルスーツを作れるんで、ロボ好きなら買うべきだと思うんです。

こんなギャンも作れます。マント付きとかかっこいいじゃないですか! 自分の少年心のままに機体をいじくれるんですよ! こんなゲームがあったなんて信じられなかったです!
しばらく『ガンブレ4』で変な機体やら、ロボ娘やら作ってました。
そのうちGQuuuuuuXくんも来るということで本当にしばらく、ね。
でも段々と自分で組み立てたい欲が出てくるんですよね、このゲームやってると。各パーツはどんな組み立てで出来ているんだろうって興味が出てくるんです。
それで……駿河屋で漁ったらあったんですよ、ギャンが。
ついにガンプラデビュー!
そもそも道具が欲しかったんですけども、ニッパーとかの。何故か家にそれが幸運にもあって、ならばと駿河屋に行ったら奇跡的に一つあったんですよ、ギャン。
速攻で組みましたね。ヤスリはかけてないですが、すごく楽しく組めました。
このパーツが繋がって、こうなって、ああなって……

どんどんと憧れのギャンが形作られていくのを見て、僕は興奮していました。
僕はこの瞬間を20年近く待っていたんだ……長かった。あの騎士然とした姿に惚れてからとにかく長かった……

うおおぉぉ! 掌に、僕の掌の中にギャンがいる!
立つ!
動かせる!
この感動がガンプラにはあるのだなあ……『心』で理解した!
そんなわけで僕は彼をきっかけにガンダムビギナーの道を歩み出したのでした。

